「書けるのに読めない?」「読めるのに書けない?」
「漢字が書けるのに読めない」
「音読できるのに漢字が書けない」
そんな子がまわりにいませんか?
今回は、発達障害のひとつでもある、学習障害のことについてお話ししたいと思います
『学習障害(LD*1)とは、全般的な知的発達は正常範囲にあるが、聞く、話す、読む、書く、計算するまたは推論する能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである
米国精神医学会の診断基準DSM-5では、学習の困難さを広く捉えて、読字、文章理解、書字、文章記述、数の操作、数量的推論のどれか1つでも学習上の困難があれば、限局性学習症という診断名となった。
なお、その困難さは一過性のものではなく、少なくとも6か月間その困難さが持続しているものとしている』
小野 隆行著 特別支援教育 重要用語の基礎知識より抜粋
*1:LDとはLearning Disorderの略です
わたしは、 Learning Difference(学び方がちがうだけ)と考えています。
LDは、おおまかに
①読みの困難さ
②書くことの困難さ
③計算する・推論することの困難さ
の3つにわけられます
知的な部分は、ひっかからず学習面に困難さをいだいている…
認知のかたよりから生じる能力のアンバランスさ、といえると思います
たとえば、
●音読する力はあっても書くのが苦手
●ある特定の教科だけ苦手
このような場合、知的に大きな遅れはありません
だからこそ、気づくのに時間が かかってしまいます
「会話ができる」
「コミュニケーションがとれる」
「スポーツもできる」
「テストの点がよい」
なども一見、問題がないように見えます
具体的には
●ふだんの会話はスムーズなのに教科書を音読するとたどたどしいから「お友だちにからかわれてしまう」
●先生の質問にはスラスラ答えているのにテスト黒板に書くことができず「なまけてみえてしまう」
●答えはわかっているのにテスト用紙には「ひらがなしか書けない」からテストの点数がとれない
一生懸命がんばっているのに…「がんばれ」「努力すればいい」と言われ続けて
自己肯定感がさがってしまうことが、一番こわいです
ところで、このような話を聞いたこと、ありませんか?
ハリウッドでも有名な俳優のトム・クルーズさんです
この方は、自分自身が「読字(読むことの)障害」であることを公表しています
彼は文章を読むことがとても難しいため、台本を覚える時は、
マネージャーさんにテープを録音してもらうそうです
録音したセリフを繰り返し、繰り返し聞くことで覚えていったそうです
何が言いたいかというと…
LDっ子を見つけるのは、むずかしいことなのです
なにせ踊るように文字が見える子は、それが「ふつう」なので、だれにも相談しません
「読めないのは、自分が努力してないからだ」と自分を責めてしまいます
大人になるまで文字が読めないことをかくし通した方がいることも聞いたことがあります
それぐらい外から見てわからない「特性」なのです
もし、あなたの周りにそんな子・そんな人がいたら
「どうしてなんだろうね」
「たのしく勉強できる方法」をいっしょに考えてほしいと思います
これらを補うためのいろいろな道具がでてきてます
デイジー教科書、ICT機器など代替機があります
それを使えば、みんなといっしょに勉強ができるのです
このような人たちを「特別扱い」してほしいのではなく「同じスタートライン」に立てるようにしたいのです
例えば、視力の悪い人にメガネをかけずに黒板の文字を一番後ろから読みなさいとはだれも言わないのですから…
次回は、わが家のお話をしたいと思います
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