ADHDについて考える(2)~のび太とジャイアンの関係性~
それでは具体的な例を見てみましょう
引き続き、のび太くんとジャイアンの例で説明します
のび太くんもジャイアンも悪気は、ありません(あからさまな悪気がある場合は、のぞきます)
ジャイアンはのび太に「◯◯もってこいよ」と命令します
のび太くんは、うまく聞き取れず
「もう一度言ってよ」と言ったら…ジャイアンにどなられました
どうすればよいのかわからないので、
ドラえもん(支援者)に「ドラえもん、助けて」泣きつく
よくありそうなシーンですよね(完璧な妄想ですが😅)
二人とも特性をもっている前提でお話をすすめます
まず、のび太くんは
1)自分が声をかけられていると思っていないかもしれない
2)違うところに注意がいっていて話を聞いてなかったかもしれない
3)聞いていたけど、忘れたのかもしれない
そして、ジャイアンも
1)早くもつてきてほしい気持ちが伝わらないのは、なぜ?
2)なぜ同じことを聞いてくるの?早く取りに行けよ
3)「うるせーな!さっさといけや」と怒鳴ればもってくるだろう(過去からの誤学習)
と分析してみたら…
やはり困った子ではなく、どうすればよいのかわからず…困っている子なのです
ここに通訳(支援者)が入ればスムーズです。支援者は、せっかくなのでドラえもんにしますね
ジャイアン:「◯◯もってこいよ」
ドラえもん(支援者):のび太くんの肩をとんとんしながら「ジャイアンくんがのび太くんに話しかけているよ」
のび太:「はっ!何を言ったか聞いてなかった」
ドラえもん:「のび太くんがジャイアンくんのステキな声でもう一度お話を聞きたいんだって
めんどくさいかもしれないけど、さっきのことばをもう一度ステキな声で話してくれないかな?」
ジャイアン:「しゃーねーな。おれさまのステキな声を聞かせてやるから、のび太!しっかり聞いてろよ」
ドラえもん:「ジャイアンくん、ありがとう」(こっそりと)のび太くん、メモの用意をしてみたら?
のび太:「はっ!はい!」
ドラえもん(支援者)が一人、間にはいることで
誰も困りません。誰もいやな思いはしてません
【ADHDは、合併症をおこすことがあります】
ADHDはDSM-5から自閉症スペクトラム(ASD)と限局性学習症(LD)は、合併することがあると定義されています
⚫️わかっているけどできない(自分の行動をコントロールできない)のがADHDで
⚫️わからないからできない(読み書きなど学習面で難しい)のがLDです
このふたつは、似ていますがぜんぜんちがいます
しかし、合併することもあるので、「なに」でつまづいているのか?を知るために目の前にいる子を観察することがとても大切です
いくら育児書や専門書を読んでもすべてのことが、書かれているわけではありません
また、わが子があてはまるわけでもありません
診断名ではなく、「目の前にいる子が「なに」に困っているのかを知る。」「子どもに関わっている教育・医療・福祉・地域の方の理解をえることで子どもが息をしやすくなる(生きやすくなる)。」 とわたしは思っています
LD,ADHD&ASD 2018年 10月号の裏表紙に掲載されていた、東京学芸大学名誉教授の上野一彦先生がおっしゃった言葉がわたしはとても大好きです。支援方法もこの一言につきると思います
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